仕事のプレッシャー、人間関係のモヤモヤ、将来への不安…。
毎日を生きているだけで、心の中にはいろいろな感情や考えがたまりやすくなります。
そんなときに役立つのが、「ライティングキュア」というセルフケアの方法です。
ライティングキュアとは、頭の中にある不安やイライラ、モヤモヤをそのまま紙やスマホに書き出して、心を軽くしていく方法のことです。
心理学の世界で研究されてきた“エクスプレッシブ・ライティング(感情表現のための筆記)”
をベースにした、日常で使えるセルフケアの一種とも言われています。
ここでは、
- ライティングキュアの効果
- 実践しやすいやり方
- 具体的な書き方のサンプル
をわかりやすく紹介していきます。
※※注意※※
ライティングキュアは、あくまで日常のストレスケアに役立つ「セルフケアの一つ」です。
強い落ち込みや、日常生活に支障が出るほどのつらさを感じる場合は、医療機関や専門家に相談することも大切です。
ライティングキュアで得られる4つの効果
1. 感情や思考が整理されて、自分の本音に気づける
ライティングキュアの一番の効果は、頭の中が整理されることです。
頭の中だけで考えていると、
- 何がつらいのか
- どこから不安なのか
- 本当はどうしたいのか
が、自分でもよくわからなくなりがちです。
そこで、紙やノートに
- 今日あった出来事
- そのときに感じた気持ち
- 体の反応(ドキドキした、疲れた など)
を書き出していくと、「あ、自分はこう感じていたんだ」と気づきやすくなります。
これは、自分の心の中にライトを当てるようなイメージです。
2. 感情と距離をとって、客観的に自分を見られる
書き出した言葉を、あとから読み返してみると、感情と少し距離をとって自分を見ることができます。
たとえば、恋人や家族とケンカをしたとき、その瞬間は感情が大きく揺れていて冷静になれません。
でも、あとでゆっくり文章を読み返すと、
- 相手の言い方に傷ついていた
- 自分も疲れていて、余裕がなかった
- 本当は謝りたかった など
少し違った視点で自分を理解できるようになります。
これが、ライティングキュアの「客観視の効果」です。
3. ため込んだストレスを安全な形で発散できる
人に言えない悩みや愚痴を、一人で抱えこんでいませんか?
- 「こんなこと、人には言えない」
- 「弱音を吐くのは恥ずかしい」
- 「迷惑をかけたくない」
そんなときでも、ノートやスマホに書くなら、誰にも迷惑をかけずに心の中を吐き出すことができます。
言葉にすることで、心の中のモヤモヤが少しずつ外に出ていき、
気持ちが軽くなっていく人は多いです。
4. 新しい視点や解決策が見つかり、前向きになれる
ただ書いて終わり、ではありません。
書いているうちに、こんな変化も生まれやすくなります。
- 「本当はどうしたかったのか」が見えてくる
- 「今できる小さな行動」が思いつく
- 「自分なりの目標」や「次の一歩」がはっきりする
不安や悩みを文章にして眺めることで、
感情の嵐の中から、「じゃあ、これをしてみよう」という小さな解決のタネが見つかるようになります。
ライティングキュアのやり方【ステップ解説】
ここからは、ライティングキュアの具体的な実践方法をステップで説明します。
特別な道具は必要ありません。今日からすぐに始められます。
ステップ1:書く時間・場所・道具をゆるく決める
まずは、「書く環境」をゆるく決めるところから始めましょう。
時間の目安
- 朝起きてすぐ(頭がスッキリしている時間)
- 夜寝る前(1日の振り返りとして)
どちらか、自分の生活リズムに合うほうで十分です。
毎日でなくても、モヤモヤしたときだけでもOKです。
場所の例
- 自分の部屋やリビングの一角
- カフェの隅の席
- 公園のベンチ など
ポイントは、落ち着いて書ける場所であることです。
道具の例
- ノート+ペン
- 日記帳
- スマホのメモアプリ
- パソコンのメモソフト
手書きが合う人もいれば、キーボードのほうがスラスラ書ける人もいます。
続けやすいものを選ぶのが正解です。
ステップ2:思ったことをそのまま書く(うまく書こうとしない)
ライティングキュアでは、きれいな文章を書く必要はまったくありません。
- 文法
- 誤字脱字
- 表現のうまさ
こういったことはすべて気にしなくて大丈夫です。
書く内容の例としては、
- 今日あった出来事
- そのときに感じた気持ち(怒り、悲しみ、安心、喜びなど)
- 体の感覚(肩が重い、ドキドキする、疲れている など)
- 頭の中をぐるぐるしている考え
などを、思いつくままに、箇条書きでも長文でも自由に書いていきます。
ステップ3:自分を責めず、やさしい目線で書く
ライティングキュアで大切なのは、「自分をジャッジしない」ことです。
- 「こんなことを思う自分はダメだ」
- 「弱音ばかり書いていて情けない」
と、自分を責める方向にいってしまうと、かえってつらくなることがあります。
書くときは、
- 「今の自分は、こう感じているんだな」
- 「こんなに頑張っていたんだな」
と、自分を受け止める・ねぎらう目線を意識してみてください。
また、書いた内容は誰かに見せる必要はありません。
読み返したくなければ、破ったり捨てたりしても構いません。
「自分だけの安全なスペース」として扱うことが大切です。
ステップ4:書いたあとに、少しだけ振り返る
ライティングキュアでは、「書くこと」自体に大きな意味がありますが、
慣れてきたら、書いたあとに少しだけ振り返る時間を取ってみましょう。
- 全体を読み返してみる
- 気になったフレーズにマーカーを引く
- 「今の自分にかけてあげたい言葉」を書き足す
などをすると、「感情の整理」から一歩進んだ、気づきのステップに入っていきます。
ライティングキュアの実践サンプル
実際にどのように書くのか、イメージしやすいようにサンプルを書いてみます。
あくまで一例なので、形式は自由にアレンジしてOKです。
ライティング例
今日は仕事でミスをしてしまった。
上司にも報告が遅れてしまい、同僚にも迷惑をかけた気がして、とても落ち込んでいる。
「自分は仕事ができないのかもしれない」と感じていて、正直会社に行きたくない気持ちもある。こうして書いてみると、今の自分がかなりネガティブな気分になっていることがよくわかる。
でも、冷静に考えると、今回のミスは初めてのケースで、わからない部分も多かった。
ミスをしたことは反省すべきだけれど、「自分はダメな人間だ」と決めつける必要はないはずだ。次に同じことが起きないように、手順をメモにしておこう。
明日、上司と同僚にきちんと謝って、改善策も自分から提案してみよう。
それができれば、今回の失敗も無駄にはならない気がする。
少しだけ気持ちが軽くなってきた。
このように、
- まずはそのままの気持ちを書く
- いったん全体を眺める
- 「本当はどうしたいのか」「次に何ができるか」を書き足す
という流れで進めていくと、ネガティブな感情だけで終わらず、「次の一歩」が見えやすくなります。
ライティングキュアを続けるコツと注意点
無理に「毎日やらなきゃ」と考えない
ライティングキュアは、義務ではなく、自分を助けるためのツールです。
- 毎日できなくてもOK
- 思いついたときだけでもOK
- しんどい日は1行だけでもOK
「続けること」よりも、自分のペースでゆるく続けられることのほうが大切です。
強いストレスや体調不良が続く場合は専門家へ
ライティングキュアは、日々のストレスケアとしてはとても役に立ちますが、
- 眠れない日が続く
- 食欲が極端に落ちる・増える
- 仕事や家事が手につかないほどつらい
といった状態が続く場合は、一人で抱え込まず、医師やカウンセラーなど専門家に相談することも検討してください。
ライティングキュアは「自分を知るためのサポート役」であり、
必要に応じて専門的なサポートと組み合わせることで、より心のケアに役立ちます。
まとめ:ライティングキュアで心の声と上手につき合う
- ライティングキュアは、心の中の感情や思考を書き出して、ストレスや不安を整理する方法です。
- 感情を整理し、客観的に自分を見つめ直し、ストレスを発散しながら、新しい気づきや解決策を見つける手助けになります。
- 特別な道具は必要なく、ノートやスマホがあればすぐに始められます。
- うまく書こうとせず、「今の自分の気持ち」をそのまま書くことがポイントです。
- 強いつらさが続くときは、専門家への相談も選択肢のひとつです。
ライティングキュアは、誰でも簡単に始められる、シンプルだけれど意外と奥が深いセルフケアの方法です。
気になったタイミングで、まずは数分だけでも試してみてください。
少しずつ、自分の心の声と仲良くなっていけるはずです。
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