システムエンジニアとして、客先での仕事は避けられないものです。
しかし、客先での仕事には、様々なトラブルやリスクが伴います。
中には、客先を出禁になってしまうような重大な事態に陥ることもあります。
そうならないためには、どのような注意点があるのでしょうか?
今回は、システムエンジニアが客先を出禁になることがある事例と私がいたことのある客先での出来事を交えて、いくつか紹介し、その原因や対策を考えてみたいと思います。
事例1:機密情報の漏洩
客先での仕事では、機密情報に触れることが多くあります。
例えば、顧客の個人情報や業務データ、システムの設計やソースコードなどです。
これらの情報は、客先から持ち出したり、第三者に見せたり、SNSやメールで共有したりすることは絶対にしてはいけません。
もし、機密情報の漏洩が発覚した場合、客先から信頼を失い、出禁になる可能性が高くなります。
私のいた客先で起こった実際のSEの事例
以前いた客先では、SEが在宅で仕事をしようとUSBメモリに顧客データを保存して持ち帰り(当時はそのあたりゆるかった)、
家のPCがウィルス感染していて、その情報がインターネット上に出回ってしまいました。
一度インターネット上に出てしまうと情報をすべて削除することがかなり困難です!
機密情報の漏洩を防ぐ対策
機密情報の漏洩を防ぐためには、以下のような対策が必要です。
- 客先から持ち出す資料やデバイスは最小限にする(必ず客先のルールに従い、許可を得ること!)
- 持ち出した資料やデバイスは常に管理し、紛失や盗難に注意する
- 持ち出した資料やデバイスは暗号化やパスワード保護を施す
- スマホで機密情報を含むものを撮影、録画はしない、原則客先執務室内での撮影、録画は行わない
- 機密情報を含む資料やデバイスは、使い終わったら速やかに返却する
- 機密情報を含むメールやファイルは削除する
- 機密情報をSNSやメールで共有しない(自分の私有アドレスへの転送もしない)
- 機密情報を第三者に見せない
- 機密情報を含む資料を公的交通機関内でカバンから出さない
事例2:不適切な発言や態度
私のいた客先で存在した(過去形)SEの事例
私が今までに見たことがある不適切な発言や態度をとるSE
- 顧客からの意見をすべて否定する自称コンサル系SE
顧客「ここの設計はリスク的に〇〇としてください」
SE「その設計は要件から間違っています!誰が考えたんですか?□□にすべきです!」
以降の会話、これの繰り返し - 顧客の仕事内容やスキルをバカにするスキル高い系SE
SE「そのぐらいわからないんですかー?」
SE「○○業界の人ってITスキル低すぎですよね」
SE「○○さんって仕事出来ないですよね(笑)」 - 顧客のITスキルが低いのを逆手に取り、嘘の設計、嘘の対応をする嘘つきSE
顧客「ここの○○の設計内容なんだけど、、」
SE「その設計はOS的に無理ですね。(嘘)」
顧客「〇〇がトラブっていてユーザーから問い合わせがきて困っている」
SE「エラー内容を見るとユーザーの操作ミスですね(嘘)」
これ系のSEは嘘を嘘で塗り固めて、なるべく仕事が来ないようにします。もちろんドキュメントも嘘だらけ。
そしてこのSEの後任として入ったSEは実情を知って大変な目に合わされます(体験者は語る) - 顧客のITスキルが低いのを逆手に取り、嘘の設計、嘘の対応をする嘘つきSE
ダメだ、挙げるときりが無いのでこの辺でやめておきます。
SEとしてでは無く人間としてダメな感じです。こういう人種が多い職種なのでしょうか?(笑)
客先で顧客に不快感や不信感を与える例
客先での仕事では、顧客や関係者とコミュニケーションを取ることが重要です。
しかし、その際に不適切な発言や態度をとってしまうと、相手に不快感や不信感を与えてしまいます。
例えば、以下のような発言や態度です。
- 顧客の要望や意見を無視したり否定したりする
- 顧客の業務やシステムに対して批判的だったり軽視したりする
- 顧客や関係者に対して敬語や敬意を欠いたり失礼だったりする
- 顧客や関係者に対して嘘をついたり約束を破ったりする
- 顧客や関係者に対して暴言や暴力をふるったり脅迫したりする
これらの発言や態度は、顧客からクレームや苦情を受けるだけでなく、出禁になる可能性もあります。
不適切な発言や態度を避ける対策
不適切な発言や態度を避けるためには、以下のような対策が必要です。
- 顧客の要望や意見を尊重し、丁寧に対応する
- 顧客の業務やシステムに対して専門的で誠実な態度をとる
- 顧客や関係者に対して敬語や敬意をもって接する
- 顧客や関係者に対して正直で信頼できる言動をする
- 顧客や関係者に対して冷静で礼儀正しい態度をとる
事例3:納期や品質の遵守
客先での仕事では、納期や品質に関する契約や約束を守ることが基本です。
しかし、計画の見積もりミスや仕様変更の多さ、技術的な問題や人的なトラブルなどによって、納期や品質が遵守できないことがあります。
もし、納期や品質が遵守できないことが発生した場合、顧客から不満や不信を抱かれ、出禁になる可能性があります。
私のいた客先での事例
とあるSIerに仕事を発注し、スケジュールが決まりました。
しかし、大きな仕様変更やトラブルも無いのにどんどん納期が遅れていきます。
原因はコミュニケーションを内部で連携できていないことと、SEのスキル不足でした。
3か月遅れとなってもまだ納品物が中身カスカスの物しか出てきません。
もう公開に間に合わないと激怒した客先は、
そのSIerに損害賠償を請求し、さらに契約を打ち切り出禁にしました。
そして別のSIerに仕事を発注し直していました。
その別のSIerも短期間での納品のためにかなり疲弊していました。
納期や品質の遵守を確保するための対策
納期や品質の遵守を確保するためには、以下のような対策が必要です。
- 計画の見積もりは慎重に行い、余裕をもって設定する
- 仕様変更は最小限に抑え、発生した場合は速やかに影響分析と調整を行う
- 技術的な問題は早期に発見し、解決策を探す
- 人的なトラブルは適切に管理し、コミュニケーションや教育を行う
- 納期や品質に関する契約や約束は明確にし、文書化する
- 納期や品質に関する進捗状況や問題点は定期的に報告し、説明する
事例3:PC、デバイス、備品の窃盗
客先での仕事では、客先から最新のPCやデバイスを貸与されることがよくあります。
これは仕事上必要であるから貸与されただけで、無料で与えられたものではありません。
もちろん、契約終了後には返却する必要があります。
私のいた客先での事例
以前いた大手客先での出来事です。
カスタマイズしたPCを全国の支店のユーザーに配送する担当になったエンジニアが、
なんと、その一部を横領し、転売をしていました。
これは犯罪なのはもちろんのこと人間としてやってはいけません。
結果その会社ごと出禁になりました。損害賠償のおまけつきで。
備品やPCの窃盗対策
- 自分または自分の会社のメンバーが客先から貸与された機器のリストを作成し、都度棚卸を行う
- 客先で貸与されたPCやデバイスは持ち帰らない
- 契約終了時にはリスト上にあるすべての機器を必ず返却し、必ず確認者をつける
- PCやデバイスの配送を担当する場合は、必ず立ち合い者を置き、配送管理、デバイス管理の台数チェックを行う
- 客先から疑われるような行動や発言はしない(倉庫への不要な入室、職務上不要な場所への移動、客先から自宅への宅配便発送など)
最後に
以上、システムエンジニアが客先を出禁になることがある事例とその対策を紹介しました。
いずれもシステムエンジニアとしてだけではなく、人としてどうか?という思うような事例ばかりです。
客先での仕事は、システムエンジニアのスキルや経験だけでなく、コミュニケーション能力やビジネスマナーも求められます。
常にプロフェッショナルとしての自覚と責任感を持ち、トラブルを未然に防ぐことが大切です。
コメント