こんにちは、システムエンジニアのXです。
今日は、孫子の兵法という古典的な戦略書から、システム開発に役立つ教えを紹介したいと思います。
はじめに
孫子の兵法は、紀元前5世紀ごろに中国で書かれたとされる、世界最古の戦略書です。
その内容は、戦争における指揮官の役割や戦術、敵味方の心理、地形や天候などの要素について述べられています。
しかし、その普遍的な原則は、戦争だけでなく、ビジネスや人生にも応用できると言われています。
システム開発もまた、一種の戦争と言えるかもしれません。
プロジェクトには、目標や期限があります。
そして、それを達成するためには、自分たちのチームとクライアントやユーザーとのコミュニケーションや協力が必要です。また、技術的な問題や予期せぬトラブルにも対処しなければなりません。
そんな状況で、どうすれば効率的に品質の高いシステムを作れるのでしょうか?
「兵には走る者有り、弛む者有り、陥る者有り、崩るる者あり、乱るる者有り、北ぐる者あり」の意味
ここで、孫子の兵法から引用したい言葉があります。
「兵には走る者有り、弛む者有り、陥る者有り、崩るる者あり、乱るる者有り、北ぐる者あり」
これは、「兵法篇」第十一章「九地」にある一節です。
孫子はここで、敵地に侵入したときに兵士たちが見せるさまざまな態度を説明しています。
それぞれの意味は以下の通りです。
- 走る者:敵地に入ったばかりで元気があって進軍する者
- 弛む者:敵地に入ってしばらくすると疲れて足が遅くなる者
- 陥る者:敵地に深く入って危険を感じて恐怖する者
- 崩るる者:敵地で孤立して絶望する者
- 乱るる者:敵地で方向感覚を失って迷う者
- 北ぐる者:敵地で逃げ出そうとする者
「兵には走る者有り、弛む者有り、陥る者有り、崩るる者あり、乱るる者有り、北ぐる者あり」をシステムエンジニアにあてはめると?
これらの態度は、システム開発におけるメンバーの心理状態にも当てはまります。
例えば、
- 走る者:プロジェクトが始まったばかりでやる気があって積極的に作業するメンバー
- 弛む者:プロジェクトが進行して仕様変更やバグ修正などで疲弊してモチベーションが下がるメンバー
- 陥る者:プロジェクトが佳境に入って期限や品質に対するプレッシャーを感じて不安になるメンバー
- 崩るる者:プロジェクトが失敗しかけて責任や罰を恐れて自信を失うメンバー
- 乱るる者:プロジェクトが複雑化して全体像や目的を見失って混乱するメンバー
- 北ぐる者:プロジェクトが嫌になって辞めたいと思って逃げ出そうとするメンバー
どう対処するか?の具体例
これらのメンバーに対して、孫子はどのように対処すべきかを教えてくれます。
- 走る者:彼らは勇敢であるが、無鉄砲である。
彼らを制御して、適切なタイミングや方向で行動させる。
例えば、プロジェクトのスケジュールや優先順位を明確にして、無理な作業量や期待をかけないようにする。 - 弛む者:彼らは疲れているが、まだ戦意はある。
彼らを激励して、休息や報酬を与える。
例えば、作業の進捗や成果を認めてほめたり、休憩時間や食事代などの手当てを支給したりする。 - 陥る者:彼らは恐れているが、まだ戦える。
彼らを安心させて、危険を回避する方法や救援を示す。
例えば、リスク管理や品質管理の方法やツールを教えたり、テストやレビューなどのサポートを提供したりする。 - 崩るる者:彼らは絶望しているが、まだ生きている。
彼らを励まして、希望や信頼を与える。
例えば、プロジェクトの目的や価値を再確認したり、チームの結束や協力を促したりする。 - 乱るる者:彼らは迷っているが、まだ目的はある。
彼らを導いて、計画や方針を示す。
例えば、プロジェクトの要件や仕様を整理したり、設計や開発の基準や手順を示したりする。 - 北ぐる者:彼らは逃げたいと思っているが、まだ止められる。
彼らを説得して、義務や責任を示す。
例えば、プロジェクトの契約や約束を確認したり、作業の引き継ぎや報告の必要性を説明したりする。
まとめ
以上のように、孫子の兵法から学ぶことは多くあります。
システムエンジニアとして、自分自身やチームメンバーの心理状態を把握し、適切な対応をすることが重要です。
孫子の言葉に耳を傾けて、プロジェクトを成功に導きましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
またお会いしましょう!
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