はじめに
こんにちは、システムエンジニアのXです。
今日は、システムエンジニアリングにおいて非常に重要な原則である「巧遅は拙速に如かず」についてお話ししたいと思います。
このことわざは、孫子の兵法という古代中国の戦略書から来ていますが、現代のシステムエンジニアリングにも非常に役立ちます。
このことわざの意味は、「急いでやるよりも、じっくりと考えてやる方が良い」ということです。
システムエンジニアリングでは、様々な問題や課題に直面することがありますが、そのときに焦って行動すると、かえって失敗する可能性が高くなります。
そのため、問題を解決するためには、冷静に分析し、計画的に対処することが必要です。
この記事では、「巧遅」と「拙速」の定義や、孫子の兵法との関連、問題発生時の対応方法などを詳しく説明していきます。
巧遅と拙速の定義
まず、「巧遅」と「拙速」の具体的な意味を見てみましょう。
「巧遅」とは、「熟考して行動すること」です。
つまり、問題を解決するためには、まず問題の原因や背景を把握し、それに対する最適な解決方法を考えることです。
「巧遅」は、「質」を重視する姿勢です。
「拙速」とは、「急いで行動すること」です。
つまり、問題を解決するためには、すぐに何かをやろうとすることです。
「拙速」は、「量」を重視する姿勢です。
システムエンジニアリングでは、「巧遅」と「拙速」のバランスが重要です。
一方だけに偏ると、問題を解決できないだけでなく、新たな問題を引き起こす可能性もあります。
「巧遅」だけでは、時間がかかりすぎて期限に間に合わなかったり、他の人や部署と連携が取れなかったりすることがあります。
「拙速」だけでは、手順や品質がおろそかになってミスや不具合が発生したり、クライアントやユーザーの要望やフィードバックを無視したりすることがあります。
そのため、「巧遅」と「拙速」の両方をうまく使い分けることが必要です。
孫子の兵法との関連
このことわざが孫子の兵法から来ていることはご存知でしょうか？
孫子の兵法は紀元前5世紀ごろに書かれた戦略書で、中国だけでなく日本や西洋でも広く読まれています。
孫子の兵法では、「巧遅は拙速に如かず」という言葉は、第四章「軍形」の中で出てきます。
この章では、敵の状況や自分の状況をよく観察し、それに応じて戦闘の形態や戦術を変えることが重要だと説いています。
孫子は、「敵に知られずに自分の形を変えることができれば、これが巧なり」と言っています。
つまり、敵の動きに対応して自分の作戦を変えることができれば、それが巧みな戦略だということです。
しかし、孫子は、「敵に知られずに自分の形を変えることができなければ、これが拙なり」とも言っています。
つまり、敵の動きに対応できずに自分の作戦を変えられなければ、それが拙な戦略だということです。
そして、孫子は、「巧遅は拙速に如かず」と結論づけています。
つまり、敵の動きに対応して自分の作戦を変えることができるなら、時間がかかっても構わないということです。
急いで行動するよりも、じっくりと考えて行動する方が良いということです。
この原則は、現代のシステムエンジニアリングにも適用されます。
システムエンジニアリングでは、クライアントやユーザーの要望やフィードバック、市場や競合の動向、技術や法律の変化など、様々な要因に応じてシステムの設計や開発や運用を変える必要があります。
そのため、常に状況を観察し、分析し、計画し、実行し、評価し、改善することが必要です。
これは、「敵に知られずに自分の形を変えること」に似ています。
しかし、このプロセスは時間がかかりますし、失敗するリスクもあります。
そのため、「巧遅は拙速に如かず」という原則を忘れずに行動することが必要です。
急いで行動するよりも、じっくりと考えて行動する方が良いということです。
問題発生時の対応
システムエンジニアとして、問題が発生したときには「巧遅は拙速に如かず」の原則を忘れずに対応することが大切です。
この原則とは、熟考した後に行動することが、慌てて行動することよりも良いということです。
ただし、対応のステップによっては「巧遅」と「拙速」の両方をうまく使い分けましょう。
では、具体的にどのように問題に対処すれば良いのでしょうか？
ここでは、以下の5つのステップを紹介します。
ステップ1:まずは上司に報告する
問題が発生したら、これだけは「拙速」でも良いので現状何が起こっているかをすぐに上司に報告しましょう。
これは、上司が問題の重要度や影響範囲を把握し、必要ならば他の部署や関係者に連絡するためです。
また、上司からの指示やアドバイスを受けることもできます。
報告する際には、「5W1H」（Who, What, When, Where, Why, How）を使って事実だけを伝えて、推測や感情は入れないようにしましょう。
ステップ2：問題の原因を特定する
次に、「巧遅」の精神で問題の原因を特定しましょう。
原因が分からなければ、解決方法も分かりません。
原因を特定するためには、以下のような方法があります。
- ログやエラーメッセージを確認する
- 問題が発生した前後の状況や操作を振り返る
- 問題が再現できるかどうかを試す
- 仮説を立てて検証する
- 他のメンバーや専門家に相談する
原因を特定する際には、根本原因と表面的な原因を区別することも重要です。
表面的な原因は、根本原因から派生した結果であり、根本原因は問題の本質であります。
例えば、「システムがダウンした」というのは表面的な原因であり、「サーバーの容量不足がシステムに負荷をかけた」というのが根本原因であるというような感じです。
根本原因を見つけ出すためには、「なぜ？」という質問を繰り返して深掘りすることが有効です。
ステップ3：問題の解決方法を考える
問題の原因が分かったら、「巧遅」の精神で問題の解決方法を考えましょう。
解決方法を考える際には、以下の点に注意しましょう。
- 解決方法は複数候補を出して比較検討する
- 解決方法は根本原因に対処するものであること
- 解決方法は問題の影響範囲や優先度に応じて選択する
- 解決方法は実行可能であること
- 解決方法は副作用やリスクが少ないこと
解決方法を考える際には、自分だけでなく他のメンバーや専門家にも意見や提案を求めることも有効です。
また、解決方法を選択する前に、上司に報告して承認を得ることも忘れないようにしましょう。
ステップ4：問題の解決方法を実行する
問題の解決方法が決まったら、「拙速」の精神で問題の解決方法を実行しましょう。
実行する際には、以下の点に注意しましょう。
- 解決方法を実行する前に、バックアップやテストなどの準備をする
- 解決方法を実行する際に、手順や結果を記録する
- 解決方法を実行した後に、問題が解決されたかどうかを確認する
- 解決方法を実行した後に、関係者に報告する
解決方法を実行する際には、慎重かつ迅速に行動しましょう。
また、予期せぬ事態が発生した場合には、すぐに対応できるように柔軟に対応しましょう。
ステップ5：問題の再発防止策を考える
問題が解決されたら、「巧遅」の精神で問題の再発防止策を考えましょう。
再発防止策を考える際には、以下の点に注意しましょう。
- 再発防止策は根本原因に対処するものであること
- 再発防止策は具体的で実行可能であること
- 再発防止策は効果測定や評価ができること
- 再発防止策は関係者の合意や協力が得られること
再発防止策を考える際には、自分だけでなく他のメンバーや専門家にも意見や提案を求めることも有効です。
また、再発防止策を実施する前に、上司に報告して承認を得ることも忘れないようにしましょう。
まとめ
「巧遅は拙速に如かず」という言葉は、孫子の兵法から来ていますが、システムエンジニアリングにも非常に重要な原則です。
問題発生時や予防時に、「拙速」に走らず、「巧遅」に徹することで、システムの品質や安定性を高めることができます。
この原則を忘れずに、システムエンジニアとしての道を歩んでいきましょう。
また、この原則はシステムエンジニアリングだけでなく、他の分野や日常生活でも生かすことができます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
またお会いしましょう！
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