スタートメニューの電源ボタンをレジストリで制御する方法

Windows
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Windows 11では、スタートメニューの電源ボタンをクリックすると「スリープ」「シャットダウン」「再起動」などの選択肢が表示されます。
しかし、企業や学校などの環境では、これらの操作を制限したい場合もありますよね。

この記事では、レジストリ設定で各電源オプションを非表示にする方法を紹介します。
特定の操作を使わせたくない場合に役立ちます。
バッチファイルに応用もできる内容なので、システム運用にも最適です。


対象の設定とレジストリキー

以下のレジストリキーを使って、スタートメニューの電源ボタンに表示される各項目を非表示にできます。(デフォルトでは0で設定されています)

項目レジストリキー名前値の種類
シャットダウンHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\default\Start\HideShutDownValueREG_DWORD1
スリープHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\default\Start\HideSleepValueREG_DWORD1
休止状態HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\default\Start\HideHibernateValueREG_DWORD1
ロックHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\default\Start\HideLockValueREG_DWORD1
再起動HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\default\Start\HideRestartValueREG_DWORD1

設定方法

1. レジストリエディタで手動で設定する場合

  1. [Win + R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く。
  2. regedit」と入力してEnter。
  3. 各キーにアクセスし、該当の値を新規作成 > DWORD (32ビット) 値で追加。
  4. 値を1に設定。
  5. PCを再起動して反映。

2. バッチファイルで一括設定する場合

以下のようなバッチファイルを作成して実行することで、一括設定も可能です。

@echo off
REG ADD "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\default\Start\HideShutDown" /v value /t REG_DWORD /d 1 /f
REG ADD "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\default\Start\HideSleep" /v value /t REG_DWORD /d 1 /f
REG ADD "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\default\Start\HideHibernate" /v value /t REG_DWORD /d 1 /f
REG ADD "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\default\Start\HideLock" /v value /t REG_DWORD /d 1 /f
REG ADD "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\default\Start\HideRestart" /v value /t REG_DWORD /d 1 /f
echo 設定を完了しました。PCを再起動してください。
pause

💡 バッチファイルを「管理者として実行」する必要があります。


注意点

  • この設定はすべてのユーザーに適用されます。
  • 操作を誤るとシステムに影響を与える可能性があるため、事前にレジストリのバックアップを推奨します。
  • グループポリシーでも似た設定が可能ですが、レジストリなら細かいカスタマイズやバッチ展開に便利です。
    ※グループポリシーの「シャットダウン、再起動、スリープ、休止コマンドを削除してアクセスできないようにする」と、このレジストリ設定は同時には行わない方が良いです。動作が不安定になります。

設定を元に戻すには?

1に設定したレジストリの値を0に変更します。

すべてのレジストリを適用したときの注意点

紹介したすべての設定を適用すると、スタートメニューの電源ボタンをクリックしても…

操作できる項目が無いことを知らせるメッセージが表示されます

通常は「スリープ」「シャットダウン」「再起動」などが表示されますが、それらがすべて非表示になるため、クリックしてもメニューがまったく開かない、または「現在、利用できる電源オプションはありません。」など操作できる項目が無いことを知らせるメッセージが表示されるだけになります。

なぜこの動作が問題なのか?

  • 一般ユーザーが困惑する可能性がある → 何も起きないと「故障?」と誤解される場合があります。
  • 電源操作の代替手段を準備しておく必要がある → たとえば、スタートメニューやタスクバーに「shutdown.exe」や「logoff」などのショートカットを作成するなどの対策が必要です。

運用上のおすすめ対策

  • 必要な項目だけ非表示にするのがベター たとえば「スリープと休止状態だけ非表示にしたい」など、目的に応じて取捨選択することをおすすめします。
  • 電源操作を別の方法で提供する スクリプトやショートカット、グループポリシーでの制御など、運用に合わせた代替手段を用意しましょう。

まとめ(再掲)

レジストリキーはすべて
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\default\Start\配下

電源メニュー項目レジストリキー名前非表示にする値表示する値
シャットダウンHideShutDownValue10
スリープHideSleepValue10
休止状態HideHibernateValue10
ロックHideLockValue10
再起動HideRestartValue10

これらをすべて「1」に設定すると、電源ボタンの機能が完全に空になるため、ユーザーに説明したり、別の操作方法を案内することが大切です。

電源ボタン自体を非表示にするにはグループポリシーの「シャットダウン、再起動、スリープ、休止コマンドを削除してアクセスできないようにする」を有効にする方法を使いましょう。

Windows 11のスタートメニューにある電源オプションは、レジストリを編集することで簡単に非表示にできます。
システム管理者やセキュリティを重視する環境ではとても便利な設定です。

また、バッチファイルを活用することで、複数台への展開や自動化もスムーズに行えます。
ぜひあなたの業務にも取り入れてみてください!

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