SE(システムエンジニア)として日々業務に追われる中で、
「自分は何のために働いているのか?」
「本当にこのやり方でいいのか?」
といった根本的な疑問にぶつかることがあります。
これは誰にでも起こり得る“価値観の変化”の瞬間です。
この記事では、現役SEとしての経験から、価値観が大きく変わった具体的な瞬間や気づき、それがその後の働き方や人生にどう影響したかについて深掘りしていきます。
SEという職種に就いている方はもちろん、キャリアに悩んでいるすべての方にとって、気づきのある内容になっているはずです。
SEとして働く中で起きた“価値観の変化”とは?
効率重視から“人との信頼”重視へ
SEという仕事は、仕様・納期・効率といった“結果”に強くフォーカスされます。
私自身も、入社当初は「どうすれば最短でミスなくタスクをこなせるか」ばかりを考えていました。
しかしある時、プロジェクトがトラブルで炎上し、納期の遅延と信頼の損失を経験しました。
そのとき学んだのは、「効率の先にあるのは信頼」であり、人との関係性こそが長期的な成果に直結するということです。
成果だけでなく“過程”にも意味があると気づいた
常に結果を求められる環境では、「プロセスはどうでもいい」と感じてしまいがちです。
しかし、新人の育成やプロジェクトの振り返りを通して、どんなプロセスを踏んできたかが、チームの文化や今後の改善に大きく影響することを実感しました。
数字で見えない成長や学びも、立派な成果なのです。
チームと個人、どちらが大切かの再定義
個人の技術力を磨くことは大切ですが、プロジェクトはチームで動いています。
「一人でできることには限界がある」という現実を突きつけられた瞬間、私の中でチームという概念の価値が大きく変わりました。
価値観が変わる瞬間はいつ訪れたか
初めてプロジェクトで失敗したとき
私が最初に価値観を揺さぶられたのは、リーダーとして初めて任されたプロジェクトで失敗した時でした。
計画通りに進まないタスク、報連相がうまくいかないメンバー…。
結果的に納期遅れとなり、顧客からの信頼も大きく損なってしまいました。
このとき、「完璧なスケジューリング」や「個人の力」ではなく、状況に応じて判断し、柔軟に対応する力の大切さに気づいたのです。
上司の一言で気づいた自分の視野の狭さ
「お前が一人で頑張っても、チームは動かないんだよ。」
これは、ある上司に言われた言葉です。当時の私は、周りに頼ることを“甘え”と考えていました。
しかしこの言葉によって、自分の視野がいかに狭く、独りよがりだったかに気づきました。
この仕事は○○の知識が必要だから、若手に任せるのは難しいと思っていたり、
本番作業は□□さんに任せるのはまだ早いと思っていたり、
この仕事は人に任せるよりも、自分でやった方が早い、
など先入観に頼ったタスクの采配や自分一人で抱え込んでしまったりしていました。
新人に教える立場になったことで気づいたこと
数年後、自分が後輩を指導する立場になり、「教えることは学ぶこと」だと痛感しました。
自分が知っていたはずの知識や考え方が、いざ人に説明しようとすると曖昧であったり、相手に伝わらなかったり。
実は○○のタスクについては若手の□□さんが知識もあり正確にこなせることがわかったり。
教えることで、自分自身の中に眠っていた価値観や行動原則が浮き彫りになりました。
経験から学んだ“変化を受け入れる力”
過去の価値観に固執することのリスク
変化を拒むのは人間の本能でもあります。
しかし、IT業界のスピードは日進月歩。
過去の成功体験にしがみついていると、すぐに取り残されてしまうのが現実です。
柔軟な考え方がSEとしての成長を加速させた
社内のシステムといえばオンプレだったのが、今ではクラウドネイティブが当たり前になってきました。
企業が情報システムへ投資する予算の配分も大きくなったり、プロジェクト単位で外部の人間を入れたりもしました。
AIの発展で設計や開発だけでなく日常の細かいタスクも生成AIの導入が進んでいます。
新しい技術、開発スタイル、働き方…。
新しいコミュニケーション、考え方の変化など、
それらを受け入れ、まずはやってみるという姿勢が、結果として自分のスキルと信頼を大きく伸ばしました。
変化に適応する力は、SEにとって必須の能力だと感じています。
自己反省と自己肯定のバランスの重要性
失敗や挫折のたびに自分を責めすぎてしまうと、前に進めなくなります。
しかし、反省がなければ同じ過ちを繰り返します。
経験を何年積んでも「自分はまだ成長途中なんだ」という視点で物事を見ることが、持続的な成長の鍵だと感じました。
今後のSEに求められる“価値観のアップデート”とは
技術力だけでなく“人間力”が問われる時代
これからのSEには、単にコードが書けるだけではなく、ユーザー視点、共感力、コミュニケーション力といった“人間力”が求められます。
実際、クライアントからの評価も「話しやすさ」や「理解力」に左右される場面が増えています。
時代の流れに対応できる“適応力”の磨き方
適応力を鍛えるには、異なる意見を持つ人と話す、未経験の領域に挑戦する、本を読むなど、刺激のある行動を意識することが大切です。
ルーチンを崩すことで、新たな価値観が生まれやすくなります。
AI・自動化と共存するSEのマインドセット
AIの進化によって、SEの仕事は単純作業からより創造的な方向へと変わりつつあります。
この流れに対し、恐れるのではなく「どう共存し、活用するか」を考えることが次世代SEのスタンダードになるでしょう。
経験から学ぶことで“価値観の進化”が起きる
経験は無駄にならない
どんなに苦しかった失敗も、迷った決断も、すべてが今の自分を作る“栄養”になっています。
SEという職業は、常に学びの連続。
一つひとつの経験が、自分をアップデートさせてくれる材料になるのです。
変化を恐れず行動することの重要性
行動しなければ何も始まりません。
怖さや不安を感じたとしても、一歩踏み出すことでしか価値観は広がりません。
現状維持は退化だと、心に刻んでいます。
SEという職業の本質を理解すること
SEは、単にシステムを作る人ではなく、人や社会とテクノロジーの“橋渡し役”です。
その本質を理解すれば、自分の仕事にも誇りとやりがいが見えてくるはずです。
まとめ
初めての失敗や上司の言葉、新たな役割を通じて学んだことは、技術力だけでなく、人間力や柔軟な思考の重要性です。
SEとしてのキャリアを進める中で、変化を受け入れ、成長し続けることの大切さが浮き彫りになりました。
今後のSEには「適応力」「人間力」が求められ、AIとの共存も新たな課題として浮かび上がります。
自身の成長と価値観の進化を理解することが、次のステップへの鍵となるでしょう。
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