Windows 11 を Azure 上で自動的に日本語化する方法

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クラウド環境での Windows 11 の導入が進む中、Azure 上で仮想マシンを展開するケースも増えています。
しかし、デフォルトの Windows 11 のイメージは英語版であることが多く、日本語環境に設定するためには追加の作業が必要になります。
特に、大規模な環境で Windows 11 を展開する際には、手動で日本語化するのは手間がかかるため、自動化の仕組みを取り入れることが重要です。

本記事では、Azure 上で Windows 11 を日本語化する方法を詳しく解説し、自動化のためのスクリプトや設定についても紹介します。

Azure 上の Windows 11 のデフォルト言語について

Microsoft Azure では、Windows 11 の仮想マシン (VM) を簡単にデプロイできますが、提供される OS イメージは主に英語版 (en-US) です。
これは、Azure のグローバルな利用を考慮したものであり、日本のユーザーがそのまま使うには不便な点があります。

英語版の Windows 11 では、UI の表記だけでなく、キーボードレイアウトや日付・時間の形式も英語圏向けに設定されています。
そのため、日本語環境に適した設定へ変更するには、以下のような作業が必要になります。

  • 日本語言語パックのインストール
  • システムロケールの変更
  • キーボードレイアウトの変更
  • タイムゾーンの設定

これらを手作業で行うことも可能ですが、大量の仮想マシンを管理する場合には、スクリプトやポリシーを活用して自動化するのが効率的です。

Windows 11 の日本語化を手動で行う方法

まずは、Azure 上で Windows 11 を手動で日本語化する方法を紹介します。
手動設定の流れを理解することで、自動化の仕組みもより理解しやすくなります。

  1. 日本語言語パックの追加
    1. [Settings] (設定) を開く
    2. [Time & language] (時刻と言語) → [Language & region] (言語と地域) に移動
    3. [Add a language] (言語の追加) をクリックし、「日本語」を検索してインストール
    4. 日本語を「Windows の表示言語」に設定
  2. システムロケールの変更
    1. [Control Panel] (コントロール パネル) を開く
    2. [Clock and Region] (時計と地域) → [Region] (地域) に移動
    3. [Administrative] (管理) タブを開き、[Change system locale] (システム ロケールの変更) をクリック
    4. 日本語 (日本) を選択して再起動
  3. キーボードレイアウトの変更
    • 設定アプリから [Language & region] で「日本語」を選択し、Microsoft IME を有効化
  4. タイムゾーンの設定
    • [Settings] → [Time & language] → [Date & time] で [Time zone] を「(UTC+09:00) Osaka, Sapporo, Tokyo」に変更

この方法は比較的簡単ですが、仮想マシンを複数展開する場合には時間がかかります。
次に、自動化する方法を紹介します。

Windows 11 日本語化の自動化方法

Azure 上で Windows 11 の日本語化を自動化するには、スクリプトを使用するのが効果的です。
ここでは、PowerShell を使って言語パックをインストールし、システムの設定を変更する方法を説明します。

PowerShell スクリプトでの日本語化

以下の PowerShell スクリプトを実行することで、Windows 11 を自動的に日本語化できます。

# 日本語言語パックのインストール
Install-PackageProvider -Name NuGet -Force
Install-Module -Name PSWindowsUpdate -Force
Set-WinUserLanguageList -Language ja-JP -Force

# システムロケールの変更
Set-WinSystemLocale -SystemLocale ja-JP

# キーボードレイアウトの設定
Set-WinUILanguageOverride -Language ja-JP
Set-WinUserLanguageList ja-JP -Force

# タイムゾーンの設定
Set-TimeZone -Id "Tokyo Standard Time"

# 再起動
Restart-Computer -Force

このスクリプトを Windows 11 仮想マシンのセットアップ時に実行することで、日本語化を自動化できます。
特に、Azure のカスタムスクリプト拡張機能を使えば、デプロイ時に自動的に適用できます。

Azure のテンプレートを使った自動日本語化

Azure では、仮想マシンをデプロイする際に ARM テンプレートAzure Policy を活用することで、言語設定を含めた環境を標準化できます。

ARM テンプレートを活用する方法

ARM テンプレートを使用すると、仮想マシンを作成する際に自動的に日本語化設定を適用できます。
以下のように、カスタムスクリプト拡張機能を追加して PowerShell スクリプトを実行することで、日本語環境が自動設定されます。

{
  "apiVersion": "2021-03-01",
  "type": "Microsoft.Compute/virtualMachines/extensions",
  "properties": {
    "publisher": "Microsoft.Compute",
    "type": "CustomScriptExtension",
    "typeHandlerVersion": "1.10",
    "settings": {
      "fileUris": [
        "<https://yourstorageaccount.blob.core.windows.net/scripts/japanize.ps1>"
      ],
      "commandToExecute": "powershell -ExecutionPolicy Unrestricted -File japanize.ps1"
    }
  }
}

この方法を使えば、Azure の仮想マシンをデプロイする際に、手間なく日本語化できます。

まとめ

Azure 上で Windows 11 を日本語化するには、手動で設定を変更する方法と、自動化スクリプトを活用する方法があります。
少数の仮想マシンであれば手動でも対応できますが、大規模展開では PowerShell スクリプトや ARM テンプレートを活用して自動化するのが効率的です。

特に、Azure の Custom Script Extension を活用すれば、仮想マシンのデプロイと同時に日本語環境を構築できます。
これにより、手間を省きつつ、統一された設定を適用できるため、企業や組織での導入にも最適です。

Windows 11 のクラウド導入が進む中で、日本語環境の整備は重要な課題の一つです。
ぜひ、これらの方法を活用して、Azure 上での快適な Windows 11 環境を構築してください。

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最後までお読みいただきありがとうございました。
またお会いしましょう!

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