Windowsの企業向け管理ツールである「グループポリシー(GPO)」には、便利な機能がたくさんあります。
その中でも、「コンピューターの構成 → 基本設定 → Windowsの設定 → ファイル」という設定項目では、指定したファイルを会社のパソコンに自動で配布したり、不要なファイルを削除したりできます。
でも、設定するときに出てくる「作成」「置換」「更新」「削除」って、ちょっとややこしいですよね?
似ているようで実は違うこれらの「アクション」の違いを、初心者の方でもわかるように、やさしく解説します!
1. グループポリシーでできる「ファイルの操作」とは?
たとえば会社のパソコンに、共通のショートカットや設定ファイルを自動で配っておきたいときに、いちいち手作業で配るのは面倒ですよね。
そんなときに使えるのが、グループポリシー(GPO)を使ったファイル操作です。
以下の場所で設定します。
設定は「グループポリシーの管理」で実施します。
対象のグループポリシーオブジェクトを開いてから以下の場所へ移動します。
コンピューターの構成 > 基本設定 > Windowsの設定 > ファイル
ここでファイルのコピーや削除を自動で行う設定ができますが、問題は「アクション」の選び方です。
2. アクション「作成・置換・更新・削除」の意味と違い
この4つは、それぞれどういうときに使うのでしょうか?図と例を使ってやさしく説明します。
作成(Create)
- どんな動き? 指定されたファイルがまだ存在しなければ、コピーして作ってくれます。 すでに同じファイルがある場合は、何もしません。
- 使いどころ まだ配ってない新しいファイルを、1回だけ各パソコンに配布したいとき。
- 注意点 ファイルがすでにある場合は無視されるので、更新はされません。
置換(Replace)
- どんな動き? 同じ名前のファイルがあれば削除して、新しく上書きコピーします。 ない場合は新規作成と同じ動きです。
- 使いどころ 配布ファイルの内容を後から変更したい場合や、確実に最新ファイルを配りたいとき。
- 注意点 ユーザーが勝手に内容を変えていた場合も、元に戻されてしまうので注意!
更新(Update)
- どんな動き? ファイルがあれば、その属性(読み取り専用・日付など)だけを更新します。 ない場合は新規作成としてコピーします。
- 使いどころ 内容そのものは変えず、設定だけ整えたいときに便利です。
- 注意点 ファイルの中身が違っていても上書きはしません! なので、「内容の同期」はできない点に注意。
削除(Delete)
- どんな動き? 指定したファイルを削除します。
- 使いどころ もう不要になったファイルを、全部のパソコンから消したいとき。
- 注意点 一度削除されると戻せません。間違って大事なファイルを消さないように気をつけましょう。
3. 実際にどのアクションを使えばいいの?
実際に現場で使うとき、こんな使い分けがおすすめです:
| 目的 | おすすめのアクション |
|---|---|
| 新しくファイルを配る | 作成(Create) |
| 必ず最新ファイルを配りたい | 置換(Replace) |
| ファイルの属性だけ整えたい | 更新(Update) |
| ファイルを削除したい | 削除(Delete) |
特に、「後から内容を変えたいかどうか」で「置換」か「作成」かを使い分けるのがポイントです!
下記にどんな時にどれを選ぶのが最適か?のパターンを準備しました
🔧 「こういう場合はこれ!」
① 新人向けの操作マニュアルPDFを配布したい
- 目的:まだファイルが存在しないパソコンにだけ配布したい。
- 選ぶアクション:✅ 作成(Create)
- 理由:一度配ったあとは変更しない前提なので、既にあるPCには影響を与えず、新人PCだけに配布される。
② ショートカットファイルを最新版に差し替えたい
- 目的:デスクトップにある古いショートカットを、新しいリンク先にしたい。
- 選ぶアクション:✅ 置換(Replace)
- 理由:既存ファイルを強制的に削除→新しいものに入れ替えるので、リンク先ミスなどを防げる。
③ 配布済みの設定ファイルの「読み取り専用属性」だけを追加したい
- 目的:ファイルの中身はそのままで、ユーザーが編集できないようにしたい。
- 選ぶアクション:✅ 更新(Update)
- 理由:内容には手を加えず、属性だけ変更できるので便利。誤って置換して内容が変わる心配がない。
④ 誤って配布してしまった設定ファイルをすべて削除したい
- 目的:不要なファイルを全PCから削除したい。
- 選ぶアクション:✅ 削除(Delete)
- 理由:ピンポイントで不要ファイルを消せる。ワイルドカードも使えるので拡張子でまとめて削除も可能。
⑤ 社内テンプレート(.dotx)を最新バージョンに差し替えたい
- 目的:古いテンプレートがある場合でも上書きし、内容を一律にしたい。
- 選ぶアクション:✅ 置換(Replace)
- 理由:確実に同じファイルが行き渡るので、バージョンの不一致を防げる。
⑥ 各パソコンのCドライブにライセンスファイルを一度だけ配布したい
- 目的:一度配ったら以降は触らない前提。
- 選ぶアクション:✅ 作成(Create)
- 理由:同じファイルがすでにあれば無視されるので、手動で変更された内容が保持される。
補足
- 基本的に「内容まで変更する必要があるかどうか」が、置換と更新の大きな分かれ目です。
- また「Create」や「Delete」は一方向のアクションなので、定期的な管理やメンテナンスには向きません。
4. よくある間違いと注意点
- 「更新」で内容まで上書きされると思っていた → 実はされません!
- 「置換」で勝手に編集したファイルが消された → 毎回上書きされます!
- 「作成」で配布したつもりなのに更新されない → 一度しか作られません!
GPOのファイル設定はとても便利ですが、「どう動くか」を理解していないと、思わぬトラブルになることも…。
5. まとめ:どのアクションを選べばいい?
最後にもう一度、4つのアクションをカンタンにまとめます:
| アクション | 一言でいうと… | 更新される? | 内容が変わる? |
|---|---|---|---|
| 作成 | あれば無視、なければ作る | × | × |
| 置換 | 毎回必ず作り直す | ○ | ○ |
| 更新 | 属性だけ整える(中身は変えない) | ○(属性のみ) | × |
| 削除 | 指定ファイルを削除する | ― | ― |
アクションの選び方フロー
【スタート】
↓ ファイルを配布したい or 削除したい?
├─► 削除したい → 【削除(Delete)】
└─► 配布したい
↓ そのファイルは既にある可能性がある?
├─► ある or 内容が古い可能性 → 内容も上書きしたい?
│ ├─► はい → 【置換(Replace)】
│ └─► いいえ → 属性だけ更新したい?
│ ├─► はい → 【更新(Update)】
│ └─► いいえ → そもそも触らない → 【何もしない】
└─► ない前提 → 【作成(Create)】
🌟 おわりに:GPOは「使い方の理解」がカギ!
グループポリシーの「ファイル」は、うまく使えばとても強力な管理ツールですが、設定を間違えると「ファイルが更新されない!」「ファイルが上書きされた!」「消えた!」なんてトラブルにもなりかねません。
特に「作成/置換/更新/削除」の4つの違いをしっかり理解しておけば、安全にファイルを配布・管理できます。
ぜひ今回の内容を参考に、自信を持ってGPOを活用してみてください!


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