あらすじ:
平凡な30代のシステムエンジニア たかし が、ブックオフで何気なく見かけて買った『孫子の兵法』の本。
家で読んでいると孫子の兵法を教えてくれる謎のマスコット「そんしくん」が現れ、 たかし の様々な問題に孫子の兵法を使って解決に導いてくれるのであった。
そしてなぜかそんしくんはシステムエンジニアリングに詳しい。。。
第6章:敵情 – マーケットリサーチ
たかしは、新しいプロジェクトのリーダーに任命された。
しかし、そのプロジェクトは競合他社との激しい争奪戦になっていた。
どうすれば勝てるのか、たかしは頭を悩ませていた。
そんしくんは、孫子の兵法から一節を引用した。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と。
「つまり、自分の強みと弱み、相手の強みと弱みを把握することが大切だよ」
とそんしくんは説明した。
「それには、マーケットリサーチが必要だね」
「マーケットリサーチ?」
とたかしは疑問に思った。
「それって、お客さんのニーズや嗜好を調べることじゃないの?」
「そうだけど、それだけじゃないよ」
とそんしくんは言った。
「競合他社の製品やサービス、価格や品質、戦略や実績なども調べることができるんだ。それらを分析して、自分たちの優位性や差別化ポイントを見つけることができるよ」
「なるほど」とたかしは納得した。
「でも、そんなことをどうやって調べるの?」
「いろいろな方法があるよ」とそんしくんは言った。
「インターネットで検索したり、業界誌やレポートを読んだり、展示会やセミナーに参加したり、秘密裏に潜入したり…」
「潜入?!」とたかしは驚いた。
「冗談だよ」とそんしくんは笑った。
「でも、本当に必要ならば、孫子も言っているよ。『敵の内部に間者を送り込み、その動向を探る』ってね」
「そんなことしたら、逮捕されるよ!」
とたかしは言った。
「まあまあ」とそんしくんは言った。
「それは冗談だよ(笑)、まずは合法的な方法で情報収集をしてみよう。それから、自分たちのプロジェクトの目的や目標、スコープやスケジュール、予算やリソースなども明確にしよう。それらをもとに、最適な提案書を作成することができるよ」
「わかった」とたかしは言った。
「ありがとう、そんしくん。君のおかげで少し自信がついたよ」
「どういたしまして」とそんしくんは言った。
「でも、これからが本番だよ。敵情を知っても、それを活かせなければ意味がないんだ。孫子も言っているよ。『知彼知己、百戦不殆。不知彼而知己、一勝一負。不知彼不知己、毎戦必殆』ってね」
「それはどういう意味?」とたかしは聞いた。
「相手と自分の状況をよく理解すれば、百戦しても危険はない。相手のことはわからなくても、自分のことはわかっていれば、勝ったり負けたりする。相手も自分もわからなければ、毎回危機に陥る」とそんしくんは訳した。
「なるほど」とたかしは言った。
「じゃあ、相手も自分もよく理解して、最高の提案をするぞ」
「そうだね」とそんしくんは言った。
「頑張ってね。応援してるよ」
「ありがとう」とたかしは言った。
「さあ、早速マーケットリサーチを始めよう」
(続く)
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