Exchangeサーバー、Exchange Onlineの設定で外部メールをテキスト形式に強制しているにもかかわらず、Outlookから送信されたメールがHTML形式になってしまうことがあります。この問題の原因と、その解決策について解説します。
問題の概要
通常、Exchangeサーバーでは外部宛のメールをテキスト形式に統一するために、トランスポートルールやリモートドメインの設定を利用します。しかし、一部の環境ではOutlookの動作により、これらの設定が適用されず、HTML形式のまま送信されるケースがあります。
考えられる原因
- Outlookの自動変換
- Outlookはリッチテキスト(RTF)形式のメールをHTMLに変換する動作を持っています。リモートドメインの設定でRTFの変換を指定していない場合、HTMLのまま送信される可能性があります。
- MAPI-over-HTTPの影響
- MAPI-over-HTTPを使用する環境では、Exchangeサーバー側のテキスト変換設定が一部適用されないことがあります。
- Exchange Onlineの動作変更
- Exchange Onlineの更新により、以前まで有効だった変換ルールが適用されにくくなることがあります。
解決策
1. Outlookの設定を変更
Outlookの「オプション」→「メール」→「メッセージ形式」から、既定の送信形式を「テキスト形式」に変更します。また、個別のメール作成時にもテキスト形式で送信されるように注意します。
2. レジストリ設定の変更
OutlookがExchangeの設定を無視してHTML形式で送信しないように、レジストリを変更します。
以下の手順でレジストリを編集します。
Win + R
キーを押して「regedit」と入力し、レジストリエディタを開く。- 以下のキーへ移動する。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\<バージョン番号>\Outlook\Options\Mail
<バージョン番号>
はOutlookのバージョンによって異なります。- Outlook 2016または365の場合は
16.0
- Outlook 2016または365の場合は
DisableInetOverride
という名前のREG_DWORD
値を作成または変更し、値を1
に設定する。- レジストリエディタを閉じ、Outlookを再起動する。
この設定により、OutlookがExchange側のメッセージ形式設定を正しく適用するようになります。
会社組織など全体にこの設定を適用するにはグループポリシーにてこのレジストリ設定を配布してください。
3. MAPI-over-HTTPの影響を調査
もし環境がMAPI-over-HTTPを利用している場合、Outlookの送信プロトコルを変更することで動作が改善する可能性があります。Outlookのレジストリ設定で「MAPI-over-HTTP」を無効化することも検討してください。
まとめ
Exchange側で適切な設定を行っていても、Outlookの動作によりHTML形式で送信されることがあります。Outlookのレジストリ設定を変更することで、強制的にテキスト形式へ変換する対策が可能です。
この問題に悩まされている方は、Outlookの設定変更やレジストリ編集を試してみてください。
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この記事で提供される情報は、一般的なガイダンスを目的としており、すべての環境やシステムでの動作を保証するものではありません。
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