【創作】SEが孫子の兵法を使いこなしたら無敵になった件(第8章:九変 – アジャイル開発)

システムエンジニア
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あらすじ:
平凡な30代のシステムエンジニア たかし が、ブックオフで何気なく見かけて買った『孫子の兵法』の本。
家で読んでいると孫子の兵法を教えてくれる謎のマスコット「そんしくん」が現れ、 たかし の様々な問題に孫子の兵法を使って解決に導いてくれるのであった。
そしてなぜかそんしくんはシステムエンジニアリングに詳しい。。。

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第8章:九変 – アジャイル開発

たかしは、新しいプロジェクトに参加することになった。
クライアントは、最新の技術を使って高機能なシステムを作ってほしいという要望だった。
しかし、要件は曖昧で変更が多く、納期も厳しかった。
そんな中、プロジェクトマネージャーは、アジャイル開発という手法を採用することを決めた。アジャイル開発とは、短い期間で小さな機能を作り、クライアントとフィードバックしながら改善していく方法だ。
たかしは、初めて聞く言葉に戸惑ったが、そんしくんが助けてくれると信じて参加した。

「孫子曰く、兵法に九変あり。一に道、二に天、三に地、四に将、五に法、六に度、七に分、八に衆、九に勢。これらを知りて変化せしむる者は勝つべし」

とそんしくんは言った。

「アジャイル開発も九変の原則に従っているんだよ。
道とは、プロジェクトの目的や価値観を共有すること。
天とは、環境や技術の変化に対応すること。
地とは、リソースやコストの管理をすること。
将とは、リーダーシップやコミュニケーションを取ること。
法とは、ルールやプロセスを決めること。
度とは、スコープや品質を測ること。
分とは、役割や責任を分担すること。
衆とは、チームワークや協力を促すこと。
勢とは、モチベーションや創造性を高めることだよ」

「なるほど」とたかしは納得した。
「でも、どうやってそれらを実践するの?」

「それが九変の魅力だよ」とそんしくんは笑った。
「アジャイル開発では、一定のサイクルで作業を繰り返すなだよ。
そのサイクルをスプリントと呼ぶんだ。
スプリントの最初には、プランニングミーティングでやるべきことを決めるんだ。
その後、実際に開発を行う。開発中には、毎日スタンドアップミーティングで進捗や課題を報告するんだ。
スプリントの最後には、レビューミーティングで成果物を見せてフィードバックをもらう。
そしてリトロスペクティブミーティングで改善点を振り返るんだよ。
これを繰り返すことで、九変の要素をバランスよく取り入れることができるのだ」

「すごいな」とたかしは感心した。
「でも、そんなに頻繁にミーティングするのは大変じゃない?」

「大変じゃないよ」とそんしくんは否定した。
「アジャイル開発では、ミーティングの時間や内容を限定することで、無駄を省くんだよ。
例えば、スタンドアップミーティングでは、立って行うことで長引かせないよ。
レビューミーティングでは、デモを見せることで具体的に評価するんだ。
リトロスペクティブミーティングでは、改善策を具体的に決めるんだ。
これらのミーティングは、九変の原則に沿って行われるんだよ」

「なるほど」とたかしは理解した。
「でも、クライアントは本当に満足するの?」

「満足するよ」とそんしくんは断言した。
「アジャイル開発では、クライアントもプロジェクトの一員となるんだよ。
クライアントは、要件や優先順位を随時変更できるよ。
また、成果物を見てフィードバックを与えることで、自分の望むものに近づけることができるよ。
そして、プロジェクトの進捗や品質を常に把握することで、安心感や信頼感を得ることができるよ。
これらのことは、九変の原則に基づいて行われるんだよ」

「すごいな」とたかしは感動した。
「でも、本当にうまくいくの?」

「うまくいくよ」とそんしくんは確信した。
「アジャイル開発は、孫子の兵法と同じく、変化に富んだ現代社会に適した方法なんだよ。
孫子曰く、「故に兵法は変化せざるものなし。水は流れて止まらず、兵法は変化して勝つものなり」。
アジャイル開発もまた、変化に応じて最適な解決策を見つけ出すものなりだよ。」

「ありがとう」とたかしは感謝した。
「そんしくんのおかげで、アジャイル開発についてよくわかったよ」

「どういたしまして」とそんしくんは嬉しそうに言った。
「それでは、さっそくスプリントを始めようか」

(続く)

続きはこちら
【創作】SEが孫子の兵法を使いこなしたら無敵になった件(第9章:行軍 – プロジェクトの進行)

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