まえおき
Windowsのバッチファイルで現在のフォルダを移動する方法(カレントディレクトリ)には、一般的には「cd」コマンドを使用します。
しかし、複数のフォルダを移動する際には、手作業で一つ一つのフォルダを指定する必要があり、手間がかかることがあります。
そこで、今回は「pushd」と「popd」というコマンドを使用することで、便利にフォルダ移動を行う方法をご紹介します!
本題
pushdとpopdの使い方
まずは、pushdとpopdの基本的な使い方をご説明します。
pushd コマンド
pushdコマンドは、指定したフォルダに移動すると同時に、移動前のフォルダのパスをスタックに保存します。
具体的な使い方は以下の通りです。
pushd フォルダのパス
例えば、以下のようにコマンドを入力すると、指定したフォルダに移動し、移動前のフォルダのパスをスタックに保存します。
pushd C:\Users\username\Documents
こうすることで、一時的に指定したフォルダに移動した後でも、元のフォルダに戻ることができます。
popd コマンド
popdコマンドは、スタックに保存されたフォルダのパスを取り出し、そのフォルダに移動します。
具体的な使い方は以下の通りです。
popd
例えば、以下のようにコマンドを入力すると、スタックに保存されたフォルダのパスを取り出し、そのフォルダに移動します。
popd
こうすることで、一度移動したフォルダから元のフォルダに簡単に戻ることができます。
複数のフォルダを移動する場合
pushdとpopdを組み合わせることで、複数のフォルダを簡単に移動することもできます。
例えば、以下のようなバッチファイルを作成してみましょう。
@echo off
pushd C:\Users\username\Documents
echo 現在のフォルダは「%cd%」です
pause
pushd C:\Projects
echo 現在のフォルダは「%cd%」です
pause
pushd D:\Work
echo 現在のフォルダは「%cd%」です
pause
popd
echo 現在のフォルダは「%cd%」です
pause
popd
echo 現在のフォルダは「%cd%」です
pause
popd
echo 現在のフォルダは「%cd%」です
pause
このバッチファイルを実行すると、順番に指定したフォルダに移動していきます。
(わかりやすいようにpauseを入れているのでEnterキーを押すごとに移動していきます)
そして、移動前のフォルダのパスはスタックに保存されます。
そしてpopdコマンドを実行すると、スタックに保存されたフォルダのパスが取り出され、元のフォルダに戻ることができます。
この例では3回pushdで移動したので3回popdすることで一つづつ元のフォルダに戻っていきます。
pushdとpopdを活用したサンプルコード
以下は、実際にpushdとpopdを活用したサンプルコードです。
@echo off
pushd C:\Users\username\Documents
REM ここにファイルの操作や処理を書く
popd
このように、バッチファイルの一部の処理を特定のフォルダで行いたい場合に、pushdとpopdを使用することで、一時的にそのフォルダに移動して処理を実行し、元のフォルダに簡単に戻ることができます。
まとめ
今回は、バッチファイルでフォルダ移動を簡単に実現するための「pushd」と「popd」についてご紹介しました。
通常の「cd」コマンドでは手間がかかる複数のフォルダの移動も、pushdとpopdを組み合わせることでスムーズに行うことができます。
ぜひ、この便利なコマンドを使って、効率的なバッチファイルを作成してみてください!
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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