Windows 11においてプリンタードライバの展開やインストールは、スムーズな印刷環境を構築する上で欠かせません。
特に、複数のPCに同じプリンタードライバを適用する場合や、ネットワーク環境でプリンタを共有する場合には、適切な方法でドライバを展開することが重要です。
本記事では、Windows 11でプリンタードライバを展開・インストールする方法を詳しく解説し、トラブルシューティングのポイントも紹介します。
Windows 11でのプリンタードライバの基本と重要性
プリンタードライバは、PCとプリンタの間の橋渡しをするソフトウェアで、正しくインストールしないとプリンタが正常に動作しません。
Windows 11では、従来のWindowsと比べてドライバ管理の方法がやや変わり、「Windows Updateを通じた自動インストール」や「デバイスマネージャーからの手動インストール」が主流となっています。
また、企業環境や複数のPCがある場合、一つ一つのPCに手動でインストールするのは手間がかかるため、ドライバの展開（配布・適用）を効率的に行う必要があります。
そのため、適切な方法を理解しておくことが重要です。
Windows 11でのプリンタードライバの入手方法とインストール
Windows 11では、プリンタードライバを入手する方法がいくつかあります。
主な手順は以下の通りです。
- Windows Updateを利用する 最新のWindows 11では、多くのプリンタードライバがWindows Updateを通じて自動的にインストールされます。
プリンタをPCに接続すると、Windowsが自動で適切なドライバを探し、ダウンロード・インストールを行うことがあります。- 「設定」→「Windows Update」→「更新の確認」を行う
- 更新プログラムの一覧に「オプションの更新」があれば、そこにプリンタードライバが含まれていることがある
- メーカーの公式サイトからダウンロードする Windows Updateで適切なドライバが見つからない場合は、プリンターメーカーの公式サイトからダウンロードする方法が一般的です。
- メーカーの公式サイトにアクセス
- プリンターの型番を入力して対応するWindows 11用ドライバを探す
- ダウンロード後、インストーラーを実行し、指示に従ってインストール
- デバイスマネージャーを使用する すでにプリンターが接続されている場合、デバイスマネージャーを開いて手動でドライバを更新することも可能です。
- 「スタート」ボタンを右クリック →「デバイスマネージャー」を開く
- 「プリンタ」または「不明なデバイス」の項目を探し、右クリックして「ドライバの更新」を選択
- 「オンライン検索」または「手動でのインストール」を選択
Windows 11でプリンタードライバを展開する方法
企業や学校など、複数のPCに同じプリンタードライバを適用する場合、効率的な展開方法を選ぶことが重要です。
- PnPUtilを使用したバッチファイルの配布によるインストール PnPUtilコマンドを活用し、バッチファイルを作成してネットワーク経由で配布することで、複数のPCに自動的にドライバを適用できます。
- まず、ドライバファイル（.inf）を共有フォルダやUSBドライブに保存します。
- 以下のようなバッチファイルを作成します。
@echo off pnputil /add-driver "\server\share\printer_driver.inf" /install exit- 上記のバッチファイルを各PCで実行することで、ドライバがインストールされます。
- グループポリシーやスクリプトを利用してログイン時に自動実行することも可能です。
- プリントサーバーを使用したグループポリシー展開 Windows Serverのプリントサーバー機能を活用し、グループポリシーを使用してプリンタの割り当てを行う方法です。
- プリントサーバーの設定
- Windows Serverの「プリント管理」ツールを開き、プリンタを追加
- 必要なドライバをプリントサーバーにインストール
- グループポリシーでプリンタを展開
- 「グループポリシー管理エディター」を開く
- 「ユーザーの構成」→「コントロールパネルの設定」→「プリンター」
- 「新しいプリンターの追加」を選択し、プリントサーバーのプリンタを指定
- クライアントPCに適用することで、ログオン時にプリンタが自動で追加される
- プリントサーバーの設定
トラブルシューティング：プリンタードライバがインストールできない場合の対処法
Windows 11でプリンタードライバをインストールできない場合、以下の対処法を試してください。
- セキュリティソフトを一時的に無効にする 一部のウイルス対策ソフトがドライバのインストールをブロックすることがあります。インストール中のみ一時的に無効にすることで解決する場合があります。
- 管理者権限で実行する ドライバのインストールには管理者権限が必要な場合があります。「右クリック→管理者として実行」で試してください。
- Windows Updateを最新の状態にする 最新の更新プログラムが適用されていないと、互換性の問題でドライバがインストールできないことがあります。Windows Updateを実行してから再試行してください。
- 古いドライバを完全に削除する 以前のバージョンのドライバが残っていると、新しいドライバが正しくインストールされないことがあります。
- 「デバイスマネージャー」から該当のプリンタを右クリック→「デバイスのアンインストール」
- 再起動後、再インストールを試す
まとめ
Windows 11では、プリンタードライバの展開方法としてPnPUtilを用いたバッチファイル配布や、プリントサーバーを活用したグループポリシーによる展開が有効です。
適切な方法を選び、効率的なドライバ管理を行いましょう。
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