Windows 11でping
コマンドを実行し、その日時と結果を一行で出力する方法について解説します。
バッチファイルを活用し、シンプルかつ効果的にログを記録する方法を詳しく紹介します。
バッチファイルで日時とping結果を一行で出力する方法
日時とping結果を一行で出力するバッチファイルのサンプル
通常、ping
コマンドを実行すると、複数行の詳細な情報が表示されます。
しかし、日時とping結果を一行で記録するには、for
コマンドとecho
を活用します。
以下のバッチスクリプトを使うことで、指定したIPアドレスへのping結果を取得し、日時とともに一行で出力できます。
@echo off
setlocal enabledelayedexpansion
rem 記録するログファイル
set LOGFILE=ping_log.txt
rem 対象のホスト
set HOST=8.8.8.8
rem 現在の日時を取得(YYYY/MM/DD HH:MM:SS)
for /f "tokens=2 delims==" %%A in ('wmic os get localdatetime /value') do set datetime=%%A
set DATE=!datetime:~0,4!/!datetime:~4,2!/!datetime:~6,2!
set TIME=!datetime:~8,2!:!datetime:~10,2!:!datetime:~12,2!
rem pingの結果を取得し、一行に整形
for /f "tokens=2* delims=:" %%A in ('ping -n 1 %HOST% ^| findstr "からの応答"') do set PING_RESULT=%%A
rem ログに書き込み(例:2025/03/25 14:30:00 15ms)
echo %DATE% %TIME% %PING_RESULT% >> %LOGFILE%
rem 終了メッセージ
echo Ping結果を %LOGFILE% に記録しました。
endlocal
このスクリプトでは、以下の処理を行っています。
wmic os get localdatetime /value
を使って現在の日時を取得し、YYYY/MM/DD HH:MM:SS
の形式に変換。ping -n 1
コマンドを実行し、findstr "からの応答"
を使って応答結果のみを抽出。^|
はpingの結果をfindstrコマンドに渡すための特殊記号”|”を使うためのエスケープ方法としてキャレット記号「^」を前に置く必要があります。echo
コマンドで、日時とping結果を一行でログファイルに書き込む。
ログの出力例
実行すると、ping_log.txt
に以下のような形式で記録されます。
2024/03/25 14:30:00 バイト数 =32 時間 =7ms TTL=119
これにより、日時とpingの応答時間を簡単に記録できます。
上記のスクリプトでは1回実行したらログに書き込んで終わりです。
では、一定間隔で継続的にPingを実行するには?について次の章で説明します。
一定間隔で継続的にpingを記録する方法
一定間隔で継続的にpingを記録するバッチファイルのサンプル
一定間隔で継続的にpingを記録したい場合は、goto
コマンドとラベル を利用してループ処理を追加します。
@echo off
setlocal enabledelayedexpansion
rem 記録するログファイル
set LOGFILE=ping_log.txt
rem 対象のホスト
set HOST=8.8.8.8
rem 繰り返し処理
:LOOP
rem 現在の日時を取得
for /f "tokens=2 delims==" %%A in ('wmic os get localdatetime /value') do set datetime=%%A
set DATE=!datetime:~0,4!/!datetime:~4,2!/!datetime:~6,2!
set TIME=!datetime:~8,2!:!datetime:~10,2!:!datetime:~12,2!
rem pingの結果を取得
for /f "tokens=2* delims=:" %%A in ('ping -n 1 %HOST% ^| findstr "からの応答"') do set PING_RESULT=%%A
rem ログに書き込み
echo %DATE% %TIME% %PING_RESULT% >> %LOGFILE%
rem 10秒待機して再実行
timeout /t 10 /nobreak >nul
goto LOOP
このスクリプトでは、timeout
コマンドを使用して10秒ごとにpingを実行し、結果をping_log.txt
に追記します。
ログの出力例
実行すると、ping_log.txt
に以下のような形式で記録されます。
2024/03/25 14:30:00 バイト数 =32 時間 =7ms TTL=119
2024/03/25 14:30:10 バイト数 =32 時間 =5ms TTL=119
2024/03/25 14:30:20 バイト数 =32 時間 =6ms TTL=119
これにより、日時とpingの応答時間を簡単に記録できます。
バッチファイルを管理者権限で実行する方法
このスクリプトを実行する際、管理者権限が必要になる場合は以下の方法で実行します。
バッチファイルを管理者として実行するには、次の方法があります。
- 手動で管理者権限を付与
- 作成したバッチファイルを右クリックし、「管理者として実行」を選択。
- スクリプト内で管理者権限を要求する
バッチファイルの先頭に以下のコードを追加すると、自動で管理者権限で実行できます。@echo off
このスクリプトを追加すると、管理者権限がない場合に自動で昇格要求を出します。
rem 管理者権限で実行されているか確認
net session >nul 2>&1
if %errorLevel% neq 0 (
echo 管理者権限が必要です。再実行します...
powershell -Command "Start-Process cmd -ArgumentList '/c %~fs0' -Verb RunAs"
exit
)
PowerShellを使った方法(応用)
バッチファイルよりも柔軟な処理を行いたい場合は、PowerShellを活用するのもおすすめです。以下のスクリプトでは、PowerShellを使用してping結果を一行で出力し、ログに記録できます。
$LOGFILE = "ping_log.txt"
$HOST = "8.8.8.8"
while ($true) {
$DATE = Get-Date -Format "yyyy/MM/dd HH:mm:ss"
$PING_RESULT = (Test-Connection -ComputerName $HOST -Count 1 -Quiet) -eq $true ? "Success" : "Fail"
"$DATE $PING_RESULT" | Out-File -Append -FilePath $LOGFILE
Start-Sleep -Seconds 10
}
PowerShellのスクリプトはバッチファイルよりも簡潔で、エラーハンドリングがしやすいのが特徴です。
まとめ
Windows 11でping
の結果を日時とともに一行で記録するには、バッチファイルやPowerShellを活用できます。
for
とfindstr
を使ってpingの応答時間を取得。wmic
を利用して日時を取得し、整形して出力。timeout
やgoto
を活用して定期的に記録するスクリプトも作成可能。- PowerShellを使うと、より簡潔なコードで同様の処理が可能。
バッチファイルを使ったネットワーク監視やログ記録に役立つので、用途に応じてカスタマイズしてみてください。
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