netsh(Network Shell) は、Windowsのネットワーク設定をコマンドラインで管理できる強力なツールです。特に、ネットワークアダプターの管理に関しては、IP設定の変更、Wi-Fiの管理、ネットワークのリセットなど、さまざまな操作が可能です。
この記事では、Windows 11でnetshを使ってネットワークアダプターを管理する方法について詳しく解説します。
1. ネットワークアダプターの一覧を表示する
まず、現在のネットワークアダプターの一覧を確認するには、以下のコマンドを実行します。
netsh interface show interface
🔹 結果の例:
Admin State State Type Interface Name
------------------------------------------------------------------------
Enabled Connected Dedicated Wi-Fi
Enabled Disconnected Dedicated Ethernet
この結果から、アダプターの名前(Interface Name) を確認できます。
2. ネットワークアダプターの有効化・無効化
ネットワークアダプターを**有効化(オン)**したい場合は、以下のコマンドを実行します。
netsh interface set interface "Wi-Fi" enable
逆に、ネットワークアダプターを**無効化(オフ)**したい場合は、次のコマンドを実行します。
netsh interface set interface "Wi-Fi" disable
🔹 ポイント:
"Wi-Fi"
の部分は、netsh interface show interface
で確認したアダプター名に置き換えてください。- 無線LANや有線LANの切り替えを自動化する際に便利です。
3. IPアドレスの確認と設定
現在のIPアドレスを確認するには、次のコマンドを使用します。
netsh interface ip show config
IPアドレスを手動で設定する(固定IP)
特定のIPアドレスを設定したい場合は、以下のコマンドを実行します。
netsh interface ip set address name="Wi-Fi" static 192.168.1.100 255.255.255.0 192.168.1.1
🔹 解説:
"Wi-Fi"
→ 設定するアダプター名192.168.1.100
→ 設定するIPアドレス255.255.255.0
→ サブネットマスク192.168.1.1
→ デフォルトゲートウェイ
IPアドレスを自動取得(DHCPに戻す)
IPアドレスをDHCPに戻したい場合は、以下のコマンドを実行します。
netsh interface ip set address name="Wi-Fi" source=dhcp
🔹 ポイント:
- DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を有効にすると、ルーターなどから自動的にIPアドレスが割り当てられます。
- 社内ネットワークやVPNを利用する場合、固定IPにする必要があるケースもあるので適宜設定しましょう。
4. DNSサーバーの設定と変更
現在のDNSサーバー設定を確認するには、次のコマンドを実行します。
netsh interface ip show dns
DNSサーバーを手動で設定する
GoogleのパブリックDNS(8.8.8.8)を設定する場合、次のコマンドを実行します。
netsh interface ip set dns name="Wi-Fi" static 8.8.8.8
DNSサーバーを自動取得(DHCPに戻す)
netsh interface ip set dns name="Wi-Fi" source=dhcp
🔹 ポイント:
- ネットワークが遅い場合、Google Public DNS(8.8.8.8 や 8.8.4.4)やCloudflare DNS(1.1.1.1)に変更すると、改善することがあります。
- 企業や大学などのネットワークでは、指定されたDNSを使う必要がある場合があるため注意!
5. ネットワークアダプターのリセット
ネットワークの不具合を解消するために、ネットワークアダプターの設定をリセットすることができます。
すべてのネットワーク設定をリセット
netsh int ip reset
実行後、PCを再起動するとネットワーク設定が初期状態に戻ります。
🔹 ポイント:
- インターネットが繋がらないときのトラブルシューティングとして有効。
- ただし、VPNや固定IP設定がリセットされるため、再設定が必要になる可能性あり!
6. Wi-Fiの管理(SSID・パスワードの確認)
過去に接続したWi-Fiの一覧を表示する
netsh wlan show profiles
🔹 結果の例:
Profiles on interface Wi-Fi:
User profiles
-------------
Profile : HomeWiFi
Profile : OfficeWiFi
Profile : CafeFreeWiFi
Wi-Fiのパスワードを確認する
netsh wlan show profile name="HomeWiFi" key=clear
🔹 結果の例(抜粋):
Security settings
-----------------
Authentication : WPA2-Personal
Cipher : CCMP
Security key : Present
Key Content : mysecretpassword
「Key Content」に表示されるのがWi-Fiのパスワードです。
まとめ|netshでネットワークアダプターを効率的に管理しよう!
Windows 11のnetshコマンドを使えば、ネットワークアダプターの管理を簡単に行うことができます。
📌 netshでできることまとめ
✅ ネットワークアダプターの一覧を表示する → netsh interface show interface
✅ アダプターを有効化/無効化する → netsh interface set interface "Wi-Fi" enable/disable
✅ IPアドレスの確認・変更 → netsh interface ip set address ...
✅ DNSサーバーの設定・変更 → netsh interface ip set dns ...
✅ ネットワーク設定をリセットする → netsh int ip reset
✅ Wi-FiのSSID・パスワードを確認する → netsh wlan show profile ...
特に、ネットワークトラブルの解決や、自動化スクリプトの作成に役立つので、ぜひ活用してみてください! 🚀
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